私について

  • 綿貫 佳祐(ワタヌキ ケイスケ)
  • 1993 年 4 月 12 日生
  • 愛知県名古屋市在住

Qiita株式会社株式会社エイチームライフデザインに所属。
主にエンジニア向け情報共有サービスのQiitaや、暮らしの「まよい」を解決する情報メディアのイーデスに携わっています。

会社では、組織を束ね、プロダクト品質の向上や制作プロセスを改善する役割を担っています。 また、採用や育成にも関わり、組織全体を常にアップデートするよう努めています。

個人の制作範囲としては、 UI を中心にマークアップ、フロントエンド、グラフィック、リサーチなど。 特定の領域に閉じず、幅広いスキルを持つことで最善の解を提供できるように心がけています。

プライベートでも Web サービスやアプリケーションの開発をしており、このポートフォリオも 1 から作成しています。 ポートフォリオの説明はこちらです。

アイデアルデザイナーを標榜しています。

略歴

内容
1993愛知県で誕生
2012私立滝高等学校を卒業
2013名古屋学芸大学に入学
2017名古屋学芸大学を卒業、株式会社エイチームに入社
2020Qiita株式会社との兼務

私が出来ること

デザイン、制作関連

  • 情報設計から表層制作まで UI デザイン全般
  • HTML, CSS, JavaScript を用いた、ビューに関わるコーディング全般
  • プロトタイピングやユーザーテストなど UX デザインの一部
  • グラフィック、エディトリアルなどの静的なスタイリングの一部
  • モーショングラフィックスなどの動的なスタイリングの一部

マネジメント関連

  • 個別のプロジェクトの進行管理
  • 事業計画にあわせたプロダクトロードマップの策定
  • 組織課題にあわせた採用や育成の計画策定

仕事をする上でのスタンス

世界において、ひとりひとりの人間は大したことがなく、非常に矮小な存在だと捉えています。 しかしそれでも人間がここまで発展してきたのは、知識や技術を共有し、常に集合知でもって社会を更新してきたからだと考えています。

そのため、私は以下のようなスタンスで仕事をしています。

  • 集合知を更新するための function としての自分である
    • 私だけが何かを成したところで、人類全体からすれば瑣末なこと
    • しかし、私が何かの基礎や土台を提供できれば、今いる他者や、後世の誰かがより大きなことを成せるかもしれない
  • 世界をゲームと捉えたときに、盤面が最適になるように自分を動かす
    • 自分の興味範囲とは多少違ったとしても、自分というコマをある場所へ動かすことで盤面が進むのであれば、そうする
  • 集団全体で挑戦の機会が増えるように、広い範囲への継承を目指す
    • 一子相伝の技術は世代ごとに 1 人しか知識を知る人がいない
      • そのため、継承者に開拓精神がなければ、その世代では何も発展しない
    • 100 人に継承されると、伝統を守る人もいれば、新しいことを試す人もいる
      • 分母が増えれば増えるほど挑戦が増え、結果的に発展する可能性も高まる

仕事をする仲間

こういった人と一緒に仕事をしたい、一緒に仕事をしたくない、を明確にしておきます。

一緒に仕事をしたい人一緒に仕事をしたくない人
常に学んでいる人今の知識や技術で十分だと思っている人
自分の無知や矮小さを俯瞰的に見られる人自分は優れた存在であると信じて疑わない人
理屈とは別に、情緒的な良し悪しも含めて判断できる人論理的な正しささえあればすべて良いと思っている人
組織内の役職や役割に関係なく、必要な動きができる人役職や役割が自分の価値だと思い、固執し、増長する人
他の部署や役割に対して敬意を払える人自分達こそが最も重要・大変などと思っている人

デザイナーを志した理由と、デザイナーになるまでの経緯

始まりは高校受験

中学 2 年の終わり頃、進路を決める時期の話です。

当時は“将来やりたいこと”が全く見つからず、先生から志望校を決めなさいと言われてもまったく候補が浮かびませんでした。 それもあり、両親に「勉強をするのも面倒くさいし、勉強せずに入れるぐらいの高校に進むのではダメかな?」と素直な気持ちで打ち明けることに。

そこで言われたのは、要約すると以下の 2 点です。

  • 頭の良い人が学歴の関係ない職業に就くのは難しくない
  • 勉強してこなかった人間が学歴の要る職業に就くのは難しい

学歴主義な親ではなかったので差別的なニュアンスもなく、理にかなっていると感じました。 合点のいった私は“夢が無いから妥当性を高めるために勉強する”と決め、地元ではそれなりに頭の良い高校に合格しました。

気づきを得た大学選択

時は経ち、今度は大学選択のシーズンです。

志望校を決めるにあたって、初めは「周りのみんなと同じような学校で良いだろう」と考えていました。

しかし、高校受験の頃に“夢が無いからこその妥当な志望校選択”をしたことを思い出します。 高校に引き続き大学までそんな決め方をしたら、自分の人生はずっと妥当なものになってしまうような気がしました。

ではどうすれば人生が豊かになるんだろう?考えて自己分析をすることに。

これから何十年か、自分の人生を賭して打ち込めるものは何だろうと悩み、出した答えが“イラストを描くこと”。 当時は絵を描くことが好きで、描き始めて気がついたら日が昇っていた……なんてこともあります。

これだけ好きだったら後悔しないはずと確信し、美大受験へと切り替えました。 当時は模試の偏差値が 70 以上あったので、かなり無茶な進路変更だったはずです。

しかし今こうやってデザイナーとして仕事をしていて、我ながら良い判断をしたと感じています。

デザインの楽しさに気づいた大学生活

イラストレーターになりたかった自分ですが、入った大学はデザイン科でした。

好きなイラストレーターの経歴を調べたところ、デザイン系の仕事 → 独立してイラストレーターというパターンがよく見られたので、それに倣おうとした結果です。

しかし授業でデザインの力や考え方を教わるにつれ、デザインの楽しさに気づいていきました。 また、人生の中で ideal を生み出すためにはどうしたら良いかを頻繁に考えていた時期でもあります。

大学生のうちに、自分のやれることの種を増やそうと思い、グラフィック・Web・映像・プロダクトと色々なジャンルに手を出していました。 未経験の領域を学びに行くフットワークの軽さは、この頃に身に付けたと思います。

エイチームに入社し、今に至る

大学卒業後はエイチームにデザイナーとして入社しました。 厳密に言えばグループ会社への転籍や兼務などがありましたが、実質的には新卒入社以来ずっと同じ会社で働いています。

インハウスデザイナーらしい、見た目を作って終わりではなく、長い時間をかけてプロダクトを育てるような働き方にやりがいを感じています。

未来史

将来何をしていたい、どのようになっていたい、と未来の年表を書いて常に意識しています。

もともと自分が見るためだけに書いていましたが、人に共有する機会も多くなってきたのでこちらにも掲載します。(2024 年 2 月更新)

死んだ後

  • 死後数十年経って、教科書などに記述がある
    • 「現在の ○○ の原型は、2000 年代半ばに綿貫佳祐によって作られた △△ である」
    • 「当時の水準から考えると明らかに異常な完成度」
    • といったイメージ

死ぬ日 2060 年頃(70 歳前後)

  • 生活習慣がカス過ぎて平均寿命まで生きられないと予想し、とりあえず 70 歳頃死ぬとする
  • 「あのとき作った ◯◯ は ideal。これを超えるものは無い。」と口に出して死ぬ
    • 現実的に考えれば技術革新などで容易に超えられるはずであるが、死の瞬間には誰も「超えられるイメージ」が持てないものを作る
    • サービス、制度、会社、文化……最終的に何を作るのかは分からない

2053 年(60 歳)

  • 小学生からデザイン教育が受けていた世代がある程度社会に存在している
    • デザインイミグラント世代に対して、デザインネイティブ世代
  • 日本人が「美しさ」についてのクオリアをある程度共有している
    • 2022 年現在、美術的な教育などを経た人間はある程度「美しさ」の共通認識がある
    • 逆に、明確な意図を持って鍛錬を積まないと獲得しづらい
    • にも関わらず、教育や社会全体の空気により、多くの人がうっすらと「美しさ」のクオリアを共有している

2043 年(50 歳)

  • デザインの義務教育が始まった頃の中学生が社会に出始めている
    • 「美しくない」に忌避感を示している
    • X 世代がデジタルイミグラントと呼ばれるのになぞらえると、デザインイミグラントの世代
  • デザインイミグラント世代と、これからどうして行くと社会が美しく善くなるのかを対話している
    • 2022 年現在から意識している「他者への継承」が社会に影響を与え、その社会に育てられた存在が私に影響を与える

2033 年(40 歳)

  • 義務教育の中にデザインが入る
    • カリキュラムや教材を作っているうちの 1 人に自分がいる
  • より多くの人が美しさに触れられるための営みをしている
    • 新しい世代はデザイン教育を受けられるとして、古い世代がノータッチでは断絶を生んでしまうかもしれない
      • 世代の違いを超えて「普通に手に入る」ものとして世の中に提供する
    • イベント、サービス、フィジカルプロダクト……形式は分からない

2028 年(35 歳)

  • 無形資産としてのデザインを誰でも認知可能な形式で示している
    • 「美術的な素地のある人にしか知覚できない存在」ではなく「財務諸表を見れば分かる資産の多寡」くらいにまでコンテクストを下げる
    • 戦略策定時のデザインの有無によってどれくらいレバレッジが変わるかの証明
  • 戦略としてのデザインが欠けている場合、競合劣位であると示している
    • もはやデザインによる優位性はなくコモディティ化していて、むしろ欠けているのが劣位性
    • ロジカルシンキング研修のような、比較的多くの場所で行われている学びのように世に広めている
  • 産学協同の取り組みから、世の中に良い変化を与えている
    • 営利目的だけでは成し得なかったような、感性に寄った挑戦が功を奏している
    • 私自身もそこから刺激を受けている

2026 年(33 歳)

  • 無形資産としてのデザインを世に広める
    • 何かを証明できるほどの効果が出ていないにせよ「我々はこういった活動をしている」と世に広めている
    • 受け取ってくれる人がいて、それによって世の変化が少しでも起これば良い
  • 産学協同の取り組みに協力している
    • 美大に限らず様々な種類の学校が対象
    • 直接的かつ常に自分が関わる場所(会社など)以外へも影響を与え始めている
  • 数世代に渡る継承の手応えを感じ、ノンバーバルながらもある程度再現性がある
    • 特に重要なものは自分から直接、ある程度型ができているものは他者から継承できるように、使い分けられる

2025 年(32 歳)

  • 強いデザイン組織による営利企業としての成果を出す
    • デザインが価値を発揮するのは単年度の P/L に対してではない場合が多いとは言え、いつまでも未来の話だけをしていてはいけない
  • 無形資産としてのデザインを証明する
    • 会社や事業の取り組みとして、デザインの有無によってどれくらいレバレッジが変わったかを証明する
  • 1 世代の継承はある程度上手くいき、2 世代の継承について感覚を掴み始める
    • 自分の教えた内容をそっくりそのまま再継承するのではなく、1 世代目の人の独自性も交えて継承されるような状況を作る

2024 年(31 歳)

  • 強いデザイン組織を作る
    • 「再現性」という言葉に逃げて、低いレベルでの標準化をしない
    • 哲学や信仰を大切にしつつ営利的な考えができるような、二面性を組織として備える
  • 無形資産としてのデザインを育てる
    • 今年の売上のために数年後の資産を毀損してはいけない
    • 高い希少性や、低い模倣可能性を持つものを育てる
  • 自分から特定個人への継承について、ある程度の感覚を掴んでいる
    • 継承: 思考にせよ技術にせよ、自分の持つ何かを他者へ上手に継承すること
    • 私個人がいくら成長しようと、他者に何も継承できないのであれば、種の存続的な観点での変化量は 0